ヒートショックを知る 

 


冬の寒い日が続くと、普段はシャワーで済ませていた方も、しっかり湯船に浸かって入浴をするという方も多いのではないでしょうか?  
 
入浴には、冷えた体を温め、血行を促し代謝を高めてくれる効果があります。 
ぬるめのお湯にゆっくり15~20分浸かると冷え性対策になったり、疲労感の解消、お肌のデトックス効果、良い睡眠が取れる等様々なメリットがあります。
 

~冷気がもたらすヒートショック~

 
ただし、注意しなければいけない点もあります。 
冬になるとニュースなどでよく耳にする「ヒートショック」です。 
急激な温度変化によって血圧が急上昇、急降下して起こる現象です。 
 
入浴中の死亡事故は交通事故の約4倍で、年間2万人近い方が亡くなっているようです。 
その約半数が冬場の12月~2月の冬場にかけて多く、そのほとんどがヒートショックが原因のようです。 
 
ヒートショックと聞くと、高齢者が注意するものというイメージがあると思います。 
たしかに高齢者の事故が多いのですが、若い人や子供にも起こりえる現象なのです。 


~ヒートショックとは~ 


暖かい部屋から寒い廊下に出た時に「ゾクッ」と震えることがあると思いますが、それがヒートショックなのです。 
ヒートショックはとても身近にあるということを知っておくべきです。

 
暖房の効いた部屋から、浴室・脱衣所・トイレ等の暖房がない場所への移動、つまり温度変化の激しい所へ移動すると血圧が上昇します。 
最悪の場合脳梗塞や心筋梗塞などの深刻な疾患につながる危険性があります。 
 
だからといって、冬のお風呂は、シャワーでは味わえないこれ以上ない憩いの場であり、温かいお湯に包まれる幸福感は他では味わえません。 
そのために、しっかりヒートショック対策を行いましょう。 


~安全にお風呂を楽しむには~

 
ご家族や同居人がいる方は、お風呂に入る前に一声かけておくのがいいでしょう。 
発見が早く早急に対処して死亡を免れたというケースもあるようです。 
 
脱衣所を、ヒーターや電気ストーブ等で暖めておくのも良いです。 
一番風呂に入る場合は、お風呂のふたを開けて湯気を充満させ、バスルームの室温を上げておくのもおすすめです。 
 
熱いお湯に長い時間浸かるのは危険です。 
血圧が一気に上がり、その数分後には急降下します。血圧が下がりすぎると、意識障害を起こしたり失神する場合もあります。 
少しぬるい温度にしたり、満足が出来ないという方は、上がる直前に沸かして「熱い」と感じた時点ですぐに上がれば、満足感が得られるはずです。 
 
また湯船から急に立ち上がるのも、血圧が急に下がるので危険です。 
湯船の縁や壁に手をついて体を支えながら、ゆっくりと立ち上がるようにしましょう。


~ヒートショックを知ってお風呂を楽しむ~ 

 
ヒートショックを避けるには、とにかく寒暖差を避けることです。 
最近は寒くないバスルーム作りのお家が増えましたが、築年数が古く寒いお風呂場は多いです。 
ご自身のことはもちろんですが、ご家族とも冬のお風呂・ヒートショック対策について話し合ってみてはいかがでしょうか。